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スクリーンの選び方
プロジェクタースクリーンはその種類を考える時に、光学的な特性、機構などの面から、その多様さに驚くことでしょう。

その特性を知ることにより、目的にあったスクリーンを選ぶことができます。
まず設置面から、幕面の後ろにプロジェクターを置くリアタイプ(透過型)と、幕面の前から光を当てるフロントタイプ(フロント投写型)に大きく分けられます。

ここではフロントタイプスクリーンについて話を進めます。
■ スクリーン反射面の性質で分ける
■ スクリーンを展開する機構で分ける
 -スクリーンの機構について-
■ プロジェクターからの選択
■ 最後に
スクリーン反射面の性質で分ける
映画館などを含め、多くの場合にフロント投写型のスクリーンが選ばれます。
フロントタイプのスクリーンは、プロジェクターから受けた光を、鑑賞する者のところに反射して映像を映し出します。
我々の身近にあるものでスクリーンを考えて見ます。表面に艶があるものや、鏡・光沢のある金属板等はスクリーンとして機能しません。映像が映らずにプロジェクターのレンズが眩しく見えるだけです。なぜでしょうか。
一方、画用紙、布、白っぽい壁、ホワイトボードなどは、無意識のうちにスクリーンの代用品として使用することがあります。私たちに白く見えるものは光を多く反射しており、スクリーンとしての特性を満たしていることになります。
スクリーンの光学的性能は、大きく3つに分けて説明されます。
拡散型(マットスクリーン)
WG、WF
回帰型(ビーズスクリーン)
BS、BU
反射型(パールスクリーン)
PP
拡散型 回帰型 反射型

拡散型(マットスクリーン)WG、WF
画用紙が近い特性を表します。文字通り拡散型のスクリーンは、幕面に当たった光を360度のおわん型の方向へ、偏り無く均一に拡散反射させるスクリーンです。このためスクリーンゲイン(※1最下段)は理論的にすべての方向で1、実際には0.9前後を示します。全ての基本になるスクリーンで、市場の約80%は、この拡散型です。
WF ピュアマット
オーエススクリーンが2000年に生み出したスクリーン「ピュアマット」は、アナログハイビジョンを背景に、高画質映像の時代を先取りし、開発されたスクリーン生地です。2002年「ピュアマットⅡ」そして2003年「ピュアマットⅡplus」と進化しハイビジョン時代に相応しいスクリーンが完成。
そして2010年、プロジェクターのさらなる進化に合わせフルハイビジョン対応スクリーン「ピュアマットⅡEX」が誕生しました。
WF203 ピュアマットⅡEX
「ピュアマットⅡplus」の優れた特長を踏襲。さらに、プロジェクターの光を極限まで効率よく反射し、マットスクリーン(拡散型)として最高のゲイン0.97(3°)を実現。最高の輝きと黒の深みを両立させたフルハイビジョン対応スクリーンです。
■ 5°ゲイン0.9±10% ■ ハーフゲイン角60°以上


(230倍)
WF202 ピュアマットⅡplus
フルハイビジョン映像の大敵は「モアレ」です。モアレとは一定のパターンとパターンが重なったときに起る干渉パターンのことです。ハイビジョンの高精細プロジェクターの映像を構成する光の点(画素)と、スクリーンが光を拡散させるために加工している表面の凹凸がモアレの原因となります。このパターンをわざと発生させてデザインに利用する場合もありますが、プロジェクターとスクリーンの関係では、鑑賞の邪魔になるだけです。ピュアマットⅡの幕面を構成するのは、ランダムに織られた特殊な繊維。この織りの不規則性が、モアレを抑え、光を均一に拡散させ、より広範囲に偏りの無いナチュラルで高精細な画像を再現させます。
■ 5°ゲイン0.8±10% ■ ハーフゲイン角60°以上


回帰型(ビーズスクリーン)BS、BU
道路標識の光学的特性がこのタイプのスクリーンです。光が投写された方向に反射光を戻します。自分の車のヘッドライトで、ドライバーが標識を見やすいのはそのためです。道路標識と同じように光を戻す性質(回帰性)を作ったスクリーンです。光が収束されるため、スクリーンゲインは1.5~3と明るくなります。

プロジェクターの近辺で映像を鑑賞することが、このスクリーンの性能を生かした使い方になります。しかしプロジェクター光軸から左右に20~30°の角度を越えてからは、拡散型よりも暗くなることに注意してください。

製造工程で、ミクロン単位の細かなビーズを使用することからこの名があります。このスクリーンのもう一つの利点として、迷光(有害光※2最下段)も同様に、光の来た方向に帰すため、映像に対する視聴者への影響が少なくなることです。
BU202 ウルトラビーズ・プレミアムグレー VGPS
生地記号からわかるようにビーズスクリーンですが、極小のビーズを使用しているために、幕面の風合いは、まるでマットスクリーンです。グレー顔料は、黒い影などのアンダー部を締め、映像にメリハリを与えます。ビーズの持つ迷光に対する強さも兼ね備え、完全な暗室が作れず、映像が迷光の影響を受けるリビングシアターや、明るい会議室などの場合に、しっかりとした画像を映し出します。
■ 5°ゲイン1.5±10% ■ ハーフゲイン角16°±5% ◎ 防炎品



反射型(パールスクリーン)PP
曇った鏡をスクリーンに見立てれば、このタイプになります。鏡に光が反射するのと同様に投写された光の方向と逆側に反射するので反射型と言います。パールと言われるのは、幕面に印刷されるパール顔料の名前から取られました。プロジェクターと鑑賞者が入射角側と反射角側の関係にある場合には、このスクリーンの選択が有効となります。しかし平面性の維持の難しさや、プロジェクターの性能の向上により、近年はほとんど選ばれるシーンがなくなってきました。以上が最も基本的な、光学特性から見たスクリーンの種類です。

<特殊な用途のスクリーン>

シルバースクリーン SD
反射型の範疇に入るスクリーンですが、スクリーンゲイン(最下段※1)が3以上と大きなゲインを持ち、視野角が極端に狭いため、現在は主に3D用のスクリーンとして利用されます。3D映像の右目用、左目用の2台のプロジェクターの偏光状態を維持するのに適したスクリーンです。
ハイゲインスクリーン SA
反射型のスクリーンです。アルミ表面に特殊ラミネートをかけた、板張りのスクリーンです。輝度の低いポケットプロジェクターの映像でもしっかりと表現します。

以上、幾つかのタイプに分けて説明しましたが、スクリーンが利用される映写環境・条件によってタイプを選択決定しましょう。オーエスのスクリーン生地は、拡散型だけでも7種を用意し、スクリーンの大きさ・予算・映し出す映像などにより、より良いスクリーン生地が選べるように工夫を重ねています。
本文中の用語
※1 スクリーンゲイン:特定の鑑賞方向に対する明るさ、反射特性です。標準白板と呼ばれる完全拡散板(酸化マグネシウムを焼き付けた純白板)に光を当てたときの輝度を1とした場合の、同一条件下でのスクリーン生地の輝度を測定したものです。
※2 有害光(迷光):スクリーンに当たる映像以外の光。窓の外からの外光、照明の光、テレビの光など。有害光の中でも、スクリーンから跳ね返った映像の光が家具やスピーカーなどに反射し、再びスクリーンに戻って来る光を迷光と言って別に表現する場合もあります。
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スクリーンを展開する機構で分ける
上巻きタイプスプリングローラータイプ
小型スクリーンの代名詞的な存在です。
天井や壁上部に本体を固定し、使用するときに引き下げて使うタイプです。
選択のポイントはスクリーンの引き下げがスムーズで、停止が確実なものを選びましょう。
収納時のショックを和らげる機構などもあります。スクリーン面は上部両端からV字の皺が生じないもの、長い間の使用に対しても皺や弛みが生じないものを選びましょう。電動タイプの選択もあります。

下巻きタイプ
3脚スタンド式、スクリーンケース床置きタイプなどがあります。
選択のポイントとして設置の安定性が重要です。使用時にスタンド部分が邪魔にならないかを判断の基準にしましょう。また、スクリーン上部両端からV字、中央部からハの字の皺が発生しないものを選びましょう。

張込みタイプ
スクリーンシートの周囲を紐やスプリングで外周枠に引っ張って平面を形成した機構です。可搬性や収納性は劣りますが、常に平面を維持できます。特に反射タイプの平面性維持とスクリーンを傾けることで、その性能を最大限に引き出します。この張り込みタイプの平面性は各種スクリーンに応用でき、リファレンス・スクリーンとして勧められます。

スクリーンの機構について
<スクリーンの余巻き>
オーエスでは、スクリーンの巻き取りパイプに巻かれる、“余巻き”と呼ぶ巻き取り量につき、製造基準を設けています。パイプに対し、1巻きと四分の一を巻くことで安全を確保する意味を持ちます。黄色いストップシールの位置は余巻位置の印でもあります。さらに引き出すことは可能ですが、安全にお使いいただきますために、ご理解をお願いいたします。
巻取りパイプ

巻き取りパイプ余巻き(赤の部分が余巻き部分です)イメージ図
<ボールストップ&ソフトワインド機構>
オーエススクリーンの上巻きスプリングローラータイプには、小型から大型までボールストップとソフトワインド装置が標準装備されています(一部製品を除く)
ボールストップ機構
ボールストップ機構
ソフトワインド機構
ソフトワインド機構

軽く引下げるだけですぐにロックがけられ解除もスムーズです。ただし、目一杯引下げてしまうと、ロックが解除できない場合がありますので、ストップシール以上には生地を引き下げないでください。

 

電動式スクリーンのようにゆっくり巻上がり、静かに収納。衝撃による損傷の心配がありません。

 

ボールストップ機構 ソフトワインド機構
(左:大型スクリーン用。右:小型スクリーン用) (左:大型スクリーン用。右:小型スクリーン用)
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プロジェクターからの選択
最近の液晶プロジェクター、DLPプロジェクターなどは、光量が豊かで十分な明るさを持っています。よほど明るい環境で文字や図形の認識を必要とする以外は、ゲインの高いスクリーンを必要としなくなったと考えてよいでしょう。
3管式プロジェクターの表現能力を最大限生かすためには素直な反射特性が重要と考えます。そのためには遮光や二次反射を押さえたカーテン、壁、調度の専用ルームでの映写が必要でしょう。スクリーンゲインが低くても、視野角の広いホワイトマットが有効な選択でしょう。
ビーズ、シルバー、パール系のスクリーンにおいては、カラーシフトの発生や周辺光量が落ちやすい(PJの焦点距離が短い場合には顕著に出やすい)ので注意しましょう。これらの問題の発生はスクリーンのゲインと相反し、より低いゲインのスクリーン選択は問題の解決につながります。
最後に
『スクリーンの賢い選び方』のまとめとして、最近のプロジェクターの大光量化、短焦点化を考えると、各タイプのゲインの低いものを考えるか、ホワイトマットを選択することがよいでしょう。
映像の明るさが必要な場合にプロジェクターの光量を増すことは、予算的にも大変なことです。しかし、スクリーンサイズを一回り小さいもの(100インチを80インチサイズ)を選択すれば、明るさは2倍近く確保されます。明るさは面積に反比例して映像を大きく映すことで減少します。画面サイズと明るさのバランスを確認して利用環境下での映像効果の高いものを選択しましょう。
良い映像を得るためには設置後の映写環境のチューニングが一番重要であり、スクリーンの特性を生かすも殺すも映写環境作りです。使われるスクリーンの特性を理解し、そのスクリーンを生かす環境を設定することで素晴らしい映像をお楽しみください。
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